麗雪神話~炎の美青年~
カティリナだったのだから。

(カティリナさん!?
カティリナさんがなんでこんな怪しいことを!?)

動揺した拍子に、セレイアは近くの落ち葉を踏んでしまった。

かさりと音が鳴る。

「………誰だ!?」

カティリナが鋭い声を発し、細剣を抜き放った。

ここでみつかるわけにはいかない!

セレイアは急いでその場を離れた。

宿に向かって急ぎながら、セレイアは考えていた。

彼女のことだ。

きっとアル=ハルのために何か請け負っているのだろう。

そう思いたかったが、不信感はぬぐえなかった。

ディセルを狙ったのは、彼女と言うことも考えられるのかとまで思ってしまう。

まさかそんなはずがない。

彼女は客間に泊まった客がディセルではないことを知っていたのだから。

けれど見せしめの意味だったとも考えられる。

―そんなこと考えたくない!!

だが、町を歩いて、唯一みつけた不審者がカティリナだったことは事実だった。

その日は一睡もできずに、セレイアは一晩中悶々と考え込んだのだった。
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