麗雪神話~炎の美青年~
「ブレイズ、相変わらずお前の頭はお花畑だな。誰がこんな奴らと協力するか! 俺は自分一人で十分だ」

「同感だな。こんな奴ら、顔も見たくない。とくにブレイズ、お前をな」

ぎすぎすとした空気が流れ、ブレイズが傷ついたような瞳になる。

(もう! どうして仲良くすることができないの!)

セレイアは腹立たしかった。心優しいブレイズに、こんな顔をさせるなんて。

「では、門を開く。七日後の朝日が昇る前に、手なずけたプミールと共にここに戻るように」

「はい!」

門番がカギを差し込み、重そうな閂を外した。

ズズズ、と音を立てて門が開く。

迷いなく、ヴァイパが門をくぐって森へと入っていった。

他の三人も、それに続く。

セレイアとディセルも目を見合わせ、頷き合ってから、彼らを追った。

背後で聞こえる、扉が閉まる音。

いよいよ、アル=ラガハテス部族王国の次の族長を決める、神聖なる「成人の儀」が、はじまったのだ。
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