麗雪神話~炎の美青年~

この儀式、まずは野生のプミールを見つけ出さなければならない。

四人の族長候補たちは、いかにしてプミールと接触をはかるのか。

「僕…がんばってみますね」

ブレイズが、強い意思をのせた瞳でセレイアとディセルを見、二人から距離を置いて歩き出す。

「がんばってくださいねー!」

セレイアたちができるのは応援すること。そして霧の発生に目を配って、四人の族長候補たちの動きをまんべんなく察しておくことだった。

「野生のプミールって、どんなところにいるの」

森の奥に視線を走らせていたディセルの質問に、セレイアは小声で答える。

「そうねえ。主に森の中、水場によく現れると思うわ。私たちの野営地としても便利だし、この儀式、まずは池や泉をさがすのがいいと思う。でも…これは教えちゃだめなのよね」

「うん。族長候補たちが自分の力でやるのが儀式だからね」

今も監視役として先に森に入っていた者達の気配が感じられた。彼らは反則をしないよう、耳を澄ませているだろう。
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