麗雪神話~炎の美青年~
「どうしてですカティリナさん! どうして! アル=ハル様がこんなことをあなたに望むと思っているんですか!?」

「だから、あなたにアル=ハル様の何がわかるというの!」

「あなたの方がわかると思っているから言っているんです! 好きなんでしょう!? アル=ハルさんのこと!」

「―――!!!」

セレイアの叫びに、一瞬カティリナは呆然となった。

そしてその顔に朱が散る。

それは恥じらいではなく―怒りの色だった。

「小娘が! 死ね!」

今度の攻撃は軌道を変えて襲って来た。

セレイアが避けようと思った先に、刃が先回りしている。

避けきれない!

セレイアが痛みを覚悟した時だった。

「そう物騒なこと言うなよ、きれいな顔が台無しだぜ?」

のんきな声が驚くほど近くから聞こえ、セレイアは目を見開いた。

すぐ目の前、カティリナの剣を、短剣で受け止めている赤い髪の人影がいる。

一瞬、ブレイズかと思った。

しかし、視界の隅に兵たちと戦うブレイズが映っている。

ではこの人影は、一体…!?
< 149 / 176 >

この作品をシェア

pagetop