麗雪神話~炎の美青年~
聞いてはいけないことを聞いたのかもしれないとセレイアは思ったが、アル=ハルは明るい態度を崩さない。

三杯目のジョッキを軽々と飲み干し笑う。

「私に気を使う必要は、“ない”ですよ。
“アル”=ハルだけど」

「……………………………」

(え、もしかしてこれって、親父ギャグ…?)

きょとんとしているディセルは意味がわかっていないようだ。

長い沈黙。

セレイアは一言も発さずたらたらと冷や汗を流す。

どう反応していいやら困っていると、カティリナがすかさずフォローをいれた。

「僭越ながらアル=ハル様」

「なんだい?」

「くだらないです。120%。そして面白くない」

「ハッハッハッ、言うねえ、私の補佐役は」

何はともあれカティリナにこの場は助けられた。

アル=ハルももうギャグを言うつもりはないらしく、話を締めくくった。

「いろいろお話いただきありがとうございました。客用の天幕をご用意しますので今宵はそちらにお泊りください。
ところで私には一人息子がいてね、もしよかったら、ぜひ会って行ってやってくれませんか」

断る理由はないだろう。

ということで、セレイアとディセルの二人は声をそろえて言った。

「よろこんで」
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