麗雪神話~炎の美青年~
冷気が走り、ディセルの力が働く。ブレイズの体がマグマに落ちる直前。本当に直前に、彼の体の下に厚い氷が形成された。

ブレイズは氷の上にどさりと落ちる。

間一髪だった。

彼は、あまりの恐怖に気を失ってしまったようだ。

「どうしようディセル! 護衛を頼まれていたのに、こんな、こんな…!」

セレイアが錯乱のあまりブレイズを追って飛びこもうとするのを、ディセルはなんとか押しとどめた。

「だ、大丈夫。あの氷はしばらく溶けないから、なんとかなる。ブレイズの真横に足場があるだろう。急いで俺たちもそこに向かおう。そして、彼を助け出すんだ」

「うん…!!」

悪の親玉吟遊詩人は、ブレイズを突き落すだけ突き落として、なんの説明もないまま、いつのまにか姿を消していた。

説明なんて、されたところで許せるはずもなかったが。

セレイアとディセルの二人はブレイズを助け出すため、洞窟の奥へと駆け出すのだった。
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