記憶と思い出と、記憶齟齬と、そしてそれは白昼夢
飢餓
どうしたらいいのでしょうね
触れたくてのばした指先が
ひくりと空(くう)を弾くように
ひとつの無音を鳴らして

力をなくした腕が
虚空で何かを掴み
どうしたらいいのでしょうね
触れたくて伸ばしたその手を
下ろした 途端にもう

衝動が震えている
身体の奥でずっと
声にならぬ声
名前にならぬ呼称

君と言ったか
お前と言ったか
あなたと言ったか
名前を呼んだか
苗字をそれとも
下の名を

呼んでみたら気が晴れて
いつか何かが終わるだろうか

どうしたらいいのでしょうね
ため息ひとつ つく
生きている証のように
息は温かい
そして
孤独の証のように
ひやりと冷たい肌

曇り空を仰ぎ下界を見下ろす窓辺
こくりと鳴る喉
飢えているのです
どうしようもなく







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