ワタシの愛しの剣士様⭐


「おはよう、るな殿。丁度朝食が出来たとこだ。そこに座ってくれ」


台所から出てきたまーくんは、制服の上からエプロンを着けていた。


おおっ、エプロンも似合うなんてっ!!朝から眼福とはこの事を言うのよね。


「おはよう、朝ごはんありが……っ!!」



まーくんに促されるまま、私は席につこうと机を見る。そこにある黒い“物体“を見て絶句した。


「あ、アレは…………」


何!!?あの変な湯気の出た異様な物体はっ!!生まれて始めて見た未確認物体!!?


「苦手とは言ったが、挑戦を止めたりはしないぞ。今日は、その決意を見せる為にも、早起きをして……」



早起きをして、コレ??何で!?どうしたらこんな風になるわけ??


「で、でも、味が肝心だよね、そうよね、そうだよね??」


自分に言い聞かせて、私は手を合わせて「いただきます」をする。そして、それを口にした。


「っんぐ!!!?」


声にならない叫びを上げて、私は口を押さえる。



な、ななななんだこれはっ!!?まずいとか、そういう味覚はすでに消え果てて、ただ舌が、口が痛い。



これ、飲み込んで大丈夫?ねぇ、大丈夫なの!!?訴えるように涙目でまーくんを見つめた。





< 38 / 60 >

この作品をシェア

pagetop