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「あ、ああ……。すまねぇ。良いとこのお嬢さんに、失礼しちまった」
素早く手を離し、頬を掻きつつぺこりと頭を下げる。
ついでに恥ずかしそうに、はにかむのも忘れない。
機嫌を損ねられたら困る。
お付きの者が、我に返って本来の役割(娘の用心棒)を思い出しても厄介だ。
最後のはにかみ笑顔が功を奏し、お付きの者も娘も、貫七を不審者扱いすることはなかった。
ここまで己の外見一つで周りを操る者も珍しかろう。
「噂の術者ってのを知ってんなら、是非とも教えて貰いたいと思ったら、つい。いや何ね、俺も昔っから噂だけは知ってたんだよ。でも会ったこともねぇしさ。妖怪みてぇな、伝説的な話かと思ってたから、つい興味が湧いちまって」
表情といい言葉といい、よくもまぁこれだけ嘘を並べられるものである。
もっとも言っていることは、丸っきりの嘘ではないので、澱みなく口から出るのだろうが。
「そ、そうですよね。わかりますわかります。私もそんなもの、丸っきり信じてませんでしたもの」
赤い顔でこくこく頷く娘は、貫七の食いつきように引くこともなく、むしろこの話題であれば貫七の気を惹けることに嬉々として、こちらからこれ以上催促しなくても、話を再開してくれた。
素早く手を離し、頬を掻きつつぺこりと頭を下げる。
ついでに恥ずかしそうに、はにかむのも忘れない。
機嫌を損ねられたら困る。
お付きの者が、我に返って本来の役割(娘の用心棒)を思い出しても厄介だ。
最後のはにかみ笑顔が功を奏し、お付きの者も娘も、貫七を不審者扱いすることはなかった。
ここまで己の外見一つで周りを操る者も珍しかろう。
「噂の術者ってのを知ってんなら、是非とも教えて貰いたいと思ったら、つい。いや何ね、俺も昔っから噂だけは知ってたんだよ。でも会ったこともねぇしさ。妖怪みてぇな、伝説的な話かと思ってたから、つい興味が湧いちまって」
表情といい言葉といい、よくもまぁこれだけ嘘を並べられるものである。
もっとも言っていることは、丸っきりの嘘ではないので、澱みなく口から出るのだろうが。
「そ、そうですよね。わかりますわかります。私もそんなもの、丸っきり信じてませんでしたもの」
赤い顔でこくこく頷く娘は、貫七の食いつきように引くこともなく、むしろこの話題であれば貫七の気を惹けることに嬉々として、こちらからこれ以上催促しなくても、話を再開してくれた。