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「おりんは……気付いてたんかな」

 おりん自身も、最近まで気付いていなかった、と小薄は言っていた。
 が、どこからかは気付いていた、ということだ。

「何で教えてくれなかったんかな」

「そりゃあのぅ……。小薄殿も言っておったじゃろ。お前はおりんを、男と思って疑わなかったじゃろ? だから、言いにくかったのではないか?」

 貫七は、まじまじとおりんを見た。
 女子だけに、貫七よりも随分小さい。

 ぎこちなく手を伸ばして、顔にかかる髪の毛を払ってみた。
 可愛らしい寝顔が露わになる。
 どきどきと騒ぐ鼓動とともに、何か胸が痛くなる。

「さて。いつの間にやらすっかり夕暮れじゃ。腹も減ったじゃろ。芋粥でも作ってやるか」

 よっこらせ、と立ち上がり、太郎坊は囲炉裏に火を入れる。
 そういえば、と貫七は傍らに置いたままの、木の葉が置いて行った重箱を開けた。

「ここに米を入れておくと、飯が出来るとか言ってたな」

 僅かに残っていたおかきを口に放り込み、貫七は太郎坊から少し米を貰って、中に入れてみた。
 蓋をし、その辺に置いておく。
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