わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
「真理!」
「っ!……あけ、み?」
「どうしたの?そんなにドア叩いて…」
いつもは開けっ放しにされている生徒玄関のドア。
私たちに気付いた真理がそれを叩く手を止めた。
「良かったあああ…明美ぃぃ!」
「わ、何よ、何があったの?」
私に向かって体当たりする勢いで飛び付いてきた真理は、私に抱き付いて泣きじゃくっている。
なんとか話せる状態まで慰めるのに数分の時間を要した。
でも、その間にゆっくりと私たちの後について来ていたらしい智哉とここあが追い付いてきたので良しとする。
「ぅくっ……あのね、家に帰ったけど誰もいなくて…
なんか、怖くなっちゃって、こんなことなら明美たちといた方がマシだったかもって、思って」
途切れ途切れの声をなんとか聞き取りながら話を聞くが、まだ頭のなかはパニックらしく、上手く話がまとまっていない。
すべてを聞き終えて話をまとめると、こうらしい。
まず、家に帰ったが家族は不在でなんだか怖くなってきた。
ならば学校に行ってでも誰かと一緒にいた方がマシだと考えて、学校にやってきた。
恐る恐る校内に入ると、後ろで扉のしまる音が。
振り返ると開いていた扉がしまっていて開けようとしても開かない。
これは、怖がりの真理がパニックを起こすはずだ。
いきなりドアが閉まるなんて、私でも多分びっくりする。