わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
「………じゃあ、鍵を探しゃいーんだな。
鍵っつったら職員室に限るよな」
「そうね。それ以外思い付かないわ。
………真理、立てる?行くよ」
「うん…皆がいるから、大丈夫。
ありがと、明美…」
ふにゃっと笑った真理の手を引っ張って立ち上がらせ、消していた懐中電灯のスイッチを押す。
その明かりで、職員室までの道を照らした。
「そういえば知ってるかな?職員室に行くまでに保健室の前通るじゃない?」
一階の生徒玄関を右に曲がった突き当たりが職員室。
その途中に保健室がある。
「夜中に保健室の前を通るとね、ベッドのカーテンが閉まってるのっ」
ベッドのカーテンが閉まっているのは使用者がいるときのみ。
夜中に使用者はいないだろうに。
「不思議に思ってじーーっと見てるとねぇ…カーテンが開いて来てぇ……
青白ーい顔をした女の子がこっちを見て言うの。
『あなたの目、ちょーだい』って……!」
「………ここあ、なにそれ」
「あれ?怖くなかったかなっ?
この学校の七不思議の1つなんだけどぉ」
「七不思議…真理が本気で怖がってるからやめてあげて…」
さっきから私にしがみついてカタカタ震える真理。
悲鳴も出ないくらい怖いらしい。
「あっ、ごめんね真理ちゃん~!
ただの七不思議だから怖がらないで!
どうせ作り話なんだからぁっ」
「作り話…だよね。うん。そうだよね…」
涙目で自己暗示するように呟く真理がだんだん可哀想に見えてきてしまう。