知りたくなかった本当の気持ち

空腹を感じるか、嫌なことを思い出すか。


その2択しか、今私には頭に無い。



するとまた若王子が隣に来た。



「なぁ」


「何よ?」



ただでさえ静かなのに、間を置かれたら緊張が走る。


それは地味に心臓に悪いからやめて欲しい。


…けど言わない。



「なんか話していようぜ。


じゃないと余計なこと考えちまう」



照れながら何言ってんの?


余計なことって何よ。



「何考えてんの」



私が訊くと、また黙った彼。



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