知りたくなかった本当の気持ち
じゃああの後…私が助かって治療のために学校を欠席していた期間、私を嘲笑っていたのも覚えが無いんだ。
やっぱりコイツは、最低だ。
自然と彼と距離を取ってしまう。
「なんだよ?」
私の表情は見えにくいため、彼は怒りを混ぜて訊く。
「何でも…無いよ」
私のこの返答は、微かだが震えていた。
答えない私にイラッとしている若王子だった。
それから私たちは距離を取って、ろくに話もしなかった。
今何時だろう…。
それさえも暗くて腕時計が見えない。
体育座りをして、顔を膝に押し当てる。
多少の空腹を感じる。