知りたくなかった本当の気持ち
走って教室から出ればいいのに...
体が動かなかった。
そして私と目線を合わせるために、若王子君もしゃがむ。
そんな行為に私はビクッと体を震わせた。
「俺と帰りたくねーのか。
せっかく誘ってやってんのによ」
威圧する声は、あの時と雰囲気は変わらない。
ただ声変わりしてるせいで、低くなってることしか変化はない。
怖い思いをすることも変わらない。
「行くぞ」
私の意思も聞かず、手を引っ張る若王子。
学校に残ってる同級生の女子が、羨ましそうにこちらを見ている。
そんなにコイツと帰りたいのか...