私の居場所
そこにはあんなに会いたいと思っていた人がいる。

私は驚きで声が出ない。

「向こうの工場の関係で、今日は昼までの作業だったんだ。だから思っていたより早く着いただろう?」

にやりと笑うその憎らしいの顔。

「何か言ってくれないの?園。」

ああ、久しぶりに私を呼ぶその声を聞いた。

「…お帰り。」

私は上手な言葉が見つからなくて、そう言った。

でもそんな私に颯太はニッコリ笑う。

「ただいま。」

そう言って私から買い物袋を取り上げた。

「お腹が空いているんだ。早く用意してくれ。」

颯太らしい言葉だ。

久しぶりの颯太の声。

「和食だったよね。」

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