私の居場所

「園（その）、遅い。」

ん？聞き間違い？

いつもは園美ちゃんって呼んでくれるよね…。

「あっ、かなりお待たせしましたか？すいません。」

もう一度謝る私。

「謝っている暇があったら、早く乗れ。」

なんてぶっきらぼうな言い方。

私にこんな言い方をする福山さんは見たことない。

私はそんなに福山さんの機嫌を損ねてしまったんだろうか。

車に乗り込んだ私を確認して、ゆっくりと車が動き出す。

いつもと違う福山さんの様子に私は完全に圧倒されてしまい、何も言葉が出ない。

「園。何でそんなに遅かったの？」

ますます怖く感じる福山さんの声。

でも口調はかなり砕けている。

「すいません。ちょっと悦子さんと話してて…。」