私の居場所
私は怖々答える。

正直、何でこんなに怒っているんだろう。

「園はさ、周りに気を遣いすぎ。どうせ悦子さんに園が居ない間の事を段取りしてたんだろう?」

チラッと私を見る福山さんの顔は相変わらず怖い。

「はい、その通りです。」

私はうつむいて答える。

「あのさ、園。俺は怒っているんじゃない。」

「でも…。」

私は思わず声が出た。

どう見ても怒ってますよね、という言葉を飲み込む。

「でも、何?」

「…いいです。福山さんの話を続けて下さい。」

言いたい事も言えない自分が情けない。

こんな私に、更に福山さんはイライラするんだろうな。

もう車を降りたい。

< 20 / 227 >

この作品をシェア

pagetop