私の居場所
「たまには良いだろう。園美さんのお父さんとせっかく親しくなったんだから、一緒に楽しいお酒を飲みたい。」

そんな大らかな福山さんに、両親も笑いが絶えない。

久々に楽しい時間を過ごしたようだ。

「またいつでも寄って下さいね。福山さん。」

そう言ったお母さんの横でお父さんも頷いている。

「今日はいきなり押しかけたのに、お時間を取って頂いてありがとうございました。」

福山さんはお名残り惜しそうに、玄関を出た。

「駅まで送っていきます。」

私は車のエンジンをかけた。

「悪いな。」

スッキリとした顔をしている福山さん。

「園の両親は、温かいな。園の原点を見た様な気がした。」

福山さんはいつもと違って、何やら難しい事を言っている。

「でも福山さん、もう健康診断の結果って出たんですか?私はまだみたいなんですけど。」
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