Nemesis=復讐の女神=


翌日。



土曜日の今日、悠里ちゃんに指定された場所に来た私は一人近くのベンチに腰掛ける。



昨日は勢いであんな事言っちゃったけど……。



知らない人に守られるって……何か想像つかない。



何て、目の前を横切る人をボーッと眺めながらそんな事を思っていた。



「ゆーあーちゃん!」


「キャッ……!」



突然、肩にかかった重みと耳元で囁かれた低い声にビクリと体を震わせる。



驚きで、ドッドッドッと心臓が小刻みに動いていた。



後ろを振り向くと、柑橘系の匂いと共に誰かの上半身が目に入った。



ゆっくりと顔を上げてくと、ニコニコと笑う二人の男の子がいた。



後ろからさす後光と、眩しい金髪に思わず目を細める。



「ぇっと……悠里ちゃんが言ってた……??」



名前は聞いてないから、誰かわからない。



私がそう言うと、二人は「そーそー」と言いながら私の前に来ると



「久保田尚です☆」


「堀裕也です☆」



とピースしながらそう言った。






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