オトナの恋を教えてください
私たちの手からこぼれた資料はばさばさばさーっと床に崩れる。
上の方の何枚かはデスクスペースにまで、床を滑っていった。

ミーティングをしていたデータ管理部の他3名の男性社員がこちらを振り向いた。


「うわわ、呼んでくれよ。吉永さん、三条さん」


部長をはじめとした3人のオジサマ社員が、資料に埋もれる私たちを救出に来てくれた。


「ホント、この紙媒体で残しておくっつう古風なやり方、どうにかして欲しいですよ!」


潰された吉永さんが、毎度の文句を言う。


「しょうがないよ。社内規定だからね」


部長の山梨さんが苦笑いして答えた。


私の部署はデータ管理部。
この巨大な会社の過去10年の営業資料から、内部監査資料まですべてを統括する部署だ。

こういうとたいそうな感じだけど、要は使わなくなった資料の山に埋もれて、細々と5人の社員が仕事をしているだけ。
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