オトナの恋を教えてください
母にとって、私の仕事はさほど重要じゃない。

有名私大を出て、有名商社に入社したという肩書き作りのためでしかない。

だから、私が入社した時点で紫藤山商事に母の興味はないのだ。


「すぐじゃなくていいから、少し考えてくれるかな。引継ぎのこともあるし、一週間ほど」


優しい志辺さんは私が答えあぐねているのを許してくれる。
私は今できる精一杯として、志辺さんに頭を下げた。



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