オトナの恋を教えてください
「……嫌じゃありません。すごく嬉しいです」


「そっか、俺も嬉しい。いろはとキスできて」


言うと、柏木さんは私を抱擁から解放した。
先に立ち上がると、私に手を差し伸べてくる。
私はその手を取り、立ち上がった。


「これ以上、ここで本気になっちゃうとまずいからな。離れとく」


本気になっちゃうと、どうなるんでしょう。

そんなことはさすがに口に出せない。

柏木さんのあたたかい愛を感じた。
それは、女の子なら誰でも向けてもらえるものかもしれない。

だけど、今まで恋愛対象外だった私は、彼が『抱いてもいい』と思える女になるのが重要課題。
つまりは、今のキスは合格と……そうとってもいいのかな。


「さ、仕事片付けて、一緒に帰ろう」


柏木さんはさっきのキスなんて何でもないことのように笑った。
私はまだおさまらない激しい鼓動を感じていた。


< 183 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop