オトナの恋を教えてください
二人で買い物袋を下げながら中に入る。

俺が管理人のオッチャンに「ちわーす」と声をかけている間、何を思ったかいろははコソコソ隠れていた。

たぶんだけど、管理人のオッチャンに俺の悪印象を与えたくなかったんだろうな。
俺がまた別な女を、部屋に連れ込むことを考えて。
取っ替え引っ替え感を出さないようにと思ったのだ。

バカだな、いろは。

バレたくない女といる時に、仲良しの管理人のオッチャンに声なんかかけねぇよ。
もっと言えば、猫カフェのよもぎにだって会わせたりしない。


3階の俺の部屋に到着すると、いろはが緊張気味にごくんと喉を鳴らした。

いろはにとって、次にここを出る時は処女喪失後だ。
緊張くらいする。


「狭いけど、どうぞ」


「お邪魔します!」


いろはが努めて明るく声を張った。
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