オトナの恋を教えてください
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夜は更けていた。
暗い部屋には窓から届く外の明かりだけ。
「今から四年前の話な。俺は新人で、営業五課にいた」
「紡績関係でしたね、五課は」
俺といろはは並んでベッドに転がっていた。
シングルベッドなので、肩を寄せ合ってだけど。
大事な話とはいえ、顔をつき合わせてより、並んで天井を眺めていた方がしやすかった。
「ちょうど夏だったな。同期の女子に告白されたんだよ。――――あんまり気分のいい話じゃないから、そいつはA子ってさせてもらうな」
俺は当時のことを思い出す。
何度思い出しても、苦い気分にしかならないので、普段は記憶の底に封じ込めておくものだ。
それを今、いろはに告白する。