オトナの恋を教えてください
なんだ、結構張り詰めて喋ってたんだな。
あんまり楽しい過去じゃないし、いろはに嫌われるかもとビクついてたもんな。


「蔑視っていうか……タラシは結構エンジョイしてたからいいんだよ。でも、もう流されるままの適当な生活はやめたい。誰かを好きになるって責任が伴うだろ?ずっと逃げてきたそういう面倒事に、もう一回飛び込みたくなったんだ」


「はい」


「反応薄いな。キミのおかげでございマスよ、いろはさん」


「反応薄いかもしれませんけど、今、噛み締めてるんです」



俺たちは顔を見合わせ、笑った。そして軽くキスをする。
いろはがいてくれてよかった。

もう、誰のことも好きにならないと思っていたのに、
過去を話して向き合いたいと思う女に出会ってしまった。

誰かと苦楽を分かち合う幸福を思い出してしまった。
< 239 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop