オトナの恋を教えてください
「確かに俺、女の子は誰でも好きだけど、そういう事情はちょっと重いわ。大事な処女なら、やっぱきちんと好きな男にあげてきた方がいいよ」


「あの……それはそうなんですが、お見合いはもう来月末で」


「恋する時間がないから、後腐れなさそうで顔がちょっと好みの俺を選んだってとこでしょ?テーマ重いのに、判断軽すぎ」


怒っている口調ではなかった。
でも、淡々と言われる正論に、私はどんどん縮こまっていった。


「悪いけど、他当たって。あ、念のため言うけど、社内の男は止めといた方がいいぞー。すぐに変な噂たてられるから。俺は今回のことは黙っとくけど」


勉強になったね、とあきれ顔で微笑まれ、返す言葉がない。


「じゃ、お疲れ様」


柏木さんは片手を上げると、あっという間に踵を返してしまった。

柏木さんの遠くなる背中を見つめ、私は温くなったカフェオレと同じくらい所在ない気持ちだった。


どうしよう……。

計画、しょっぱなっから大破綻……。




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