オトナの恋を教えてください
「もしもーし、いろはさんですかぁ?もう着きました?」


慣れた感じの声が私の名を呼び、心臓が跳ねた。

男性が私の名前を呼んでいる。
かつてこんなことがあっただろうか……いや、ない。


「あ……はあ……あの」


どもりまくって言葉にならないでいると、電話を通さない声が後ろから降ってきた。


「みーつけた。三条いろはさんでしょ?」


背後からぐるんと覗き込んできた人は、私の探していた“レオくん”だ!


「うわっ、めっちゃ可愛い!俺ラッキーだわ!」


陽気に私を褒めてくれる“レオくん”は、写真のまんまだった。
いや、写真よりずーっとカッコいいかも。
金に近い茶髪は傷んでなくてサラサラ。

だけど……彼の顔を見た瞬間から私の心臓は嫌な音をたてて鳴り出していた。

心臓に警報機でも備えてたかってくらい、鼓動が耳障りに響く。
< 31 / 317 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop