オトナの恋を教えてください







「柏木さん!私、何をしましたでしょうか!?」


山手線のガード下まで歩き、すでにレオくんの姿が見えなくなったあたりで私は柏木さんに問うた。


「資料って!?私、どんな一大事を引き起こしちゃったんでしょうか!?」


「あのね!馬鹿なのか?三条さんは」


柏木さんが眉をひそめた顔で振り向く。足は止めない。


「ナンパか何か?引きずられていくデートなんかないだろ?あんな困った顔してこっち見られたら、俺も放って置けなかったの!」


「え?……ってことは」


「嘘だよ、嘘。三条さんを連れ出す口実。……って、作戦をわかってないくらいだけど、俺は本当にきみを助けてよかったのか?合意の上のデートなら、今すぐあの派手な彼氏んトコ戻ってもいいけど」



柏木さんは……私の『助けて』をキャッチしてくれたんだ。
そして、本当に助けに来てくれたんだ。
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