オトナの恋を教えてください
入社4ヶ月の私たちはいわゆる新人というイキモノだ。

美野里とはこの会社の第一次集団面接からの付き合いなので、かれこれ1年ちょっと友情を維持してきた。
人見知りで周囲と馴染むのが苦手な私が、唯一会社で心を開ける大事な友人。

その美野里が目をきらりと光らせた。


「で、昨日の首尾はいかに?」


昨日……。
私はがっくりとうなだれ、成果報告をする。


「ダメだった。玉砕ですわ」


「えー?あの柏木一が断ったの?」


美野里が大きめの声で言うので、慌てて人差し指を唇の前に立てた。
しーっというジェスチャーに、美野里が首をすくめた。


「ごめん、ごめん。つい、エキサイトした」


「柏木さん、ファン多いんでしょ?滅多なこと言って、目ェつけられたくないよ」


「ファンっていうか、関係ある女子が多いんだよ!」


美野里があきれたように眉をひそめてから、今度は小声で言う。
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