オトナの恋を教えてください
ふぅん、なんて柏木さんが色のない笑顔を作る。

反応、薄ぅ。
どうやら三条いろは、映画選びまで外したみたいであります。

デートだし、恋愛映画とかにすればよかったのかな。
でも、この猫モノ、絶対見たかったんだもん。

きっと、柏木さんだって楽しんでくれると……、は!もしや!


「もしかして猫アレルギーですか!?」


「たとえ、猫アレルギーでも、映画見て苦しくならんわ」


柏木さんが鋭く切り返す。
で・ですよねー。


「嫌いじゃないよ。わかった、行こう」


柏木さんはあきらめたようにため息をつくと、私の手を握った。
指を絡ませた正真正銘のカップルつなぎ!

柏木さんのこの前の姿が甦る。

『怖くない』

そう言って、私の緊張をほぐしてくれた。

効果抜群です。
今は、柏木さんと手をつないでも、不安はない。
身体も強張らない。

胸の奥がぎゅうぎゅう苦しく疼く。
でも、嫌な感じじゃない。

不思議。
すごく不思議な感覚だ。



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