まだ、心の準備できてません!
もう一度お礼を言いながら深く頭を下げ、失礼しようとドアの方へ向かう。
「真白さん」と呼び止められ振り向くと、社長が微笑みを携えて私を見据えていた。
「私のところまで直談判しに来るとは、たいした度胸をお持ちだ。あなたはしたたかで行動力がある女性だから、夏輝はあえて嘘をついたのだと思いますよ」
……それって、どういうことなんだろう。“あえて嘘をついた”って……。
また意味深なことを言われて気になってしまうけれど、あまり時間を取らせてはいけないと思い、曖昧に笑顔を返して社長室を出た。
狐に摘まれたような気分で二階に下りると、オフィスに入ろうとする三木さんと再び会った。
さっき案内してくれたお礼を言おうとして近付くと、珍しく彼女の方から話し掛けてくる。
「社長に聞きたいことは聞けましたか?」
「はい、一応……」
「浅野さんがいたらよかったのに、残念でしたね」
淡々と口にされる発言を聞いて、ふと思う。
彼女のこの口ぶり、まるで私が何を聞きたいのかをわかっているかのようだ。
もしかして彼女は、すべて知っているんじゃないだろうか。
「真白さん」と呼び止められ振り向くと、社長が微笑みを携えて私を見据えていた。
「私のところまで直談判しに来るとは、たいした度胸をお持ちだ。あなたはしたたかで行動力がある女性だから、夏輝はあえて嘘をついたのだと思いますよ」
……それって、どういうことなんだろう。“あえて嘘をついた”って……。
また意味深なことを言われて気になってしまうけれど、あまり時間を取らせてはいけないと思い、曖昧に笑顔を返して社長室を出た。
狐に摘まれたような気分で二階に下りると、オフィスに入ろうとする三木さんと再び会った。
さっき案内してくれたお礼を言おうとして近付くと、珍しく彼女の方から話し掛けてくる。
「社長に聞きたいことは聞けましたか?」
「はい、一応……」
「浅野さんがいたらよかったのに、残念でしたね」
淡々と口にされる発言を聞いて、ふと思う。
彼女のこの口ぶり、まるで私が何を聞きたいのかをわかっているかのようだ。
もしかして彼女は、すべて知っているんじゃないだろうか。