課長の独占欲が強すぎです。
中身は玉子焼きにほうれん草の胡麻和え。きんぴらゴボウとカボチャのコロッケ、大豆と揚げの旨煮にひじきご飯。どうせ一人で食べるんだしと思って彩りも何も考えなかったババ臭いメニューだ。なのに。
「野菜ばかりだな」
「はあ……」
向かいの席からは鋭い眼光がガッツリと私のお弁当を閲覧している。
「自分で作ったのか?」
「はあ、まあ。って言っても半分以上は冷蔵庫の残りを詰めただけですけど」
「玉子焼きは橘が作ったのか」
「はあ。上手く巻けなくて歪んでますけどね」
なんでそんなに興味津々なんだろう。宍尾さんの好奇の目に晒され、おかげで箸が全く進まない。
その時、迅速なお蕎麦屋さんが「まいどー出前届けに来ましたー」とフロアに入ってきて、私は宍尾さんの気が逸れた事に心底ホッとしたのだった。