星屑埋葬~赤ん坊の死~

「遠慮はしないで、誰もいないから」

メグは、狸のようにふちどりした眼にせいいっぱいの媚をたたえ、躰をくねらせて言った。

若者は気さくないつもの彼に似合わず怯んだ表情を浮かべながら、

「せっかくだけど、今日は忙しいんだ」

と勝手口から出て行こうとした。

メグはたたきに飛び降りると、半分開けたままになっていた扉を後手に締め、
目を閉じて顔を仰向けた。

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