公園であいましょう

   『どういったご用件でしょうか?」



 これ以上は無いほど警戒をしながら、
 私は、男の人と机をはさんで向かい合っている。



   「うん、まず自己紹介をさせてほしい。
    僕はこういうものです。」



 そういって彼は、名刺を私にさしだした。



   「写真家、、岩間 崇って、、えっ、あの写真集の?」



 私の反応が予想通りだったからだろうか、
 岩間さんは、くっと笑うと、



   「そうです。そして今日はあなたにお願いがあって来ました。
    私のカメラの被写体になってもらいたい。」

 

 と、笑みをうかべたまま言った。


  (被写体って、、、)


 被写体の言葉の意味はわかるが、なぜその言葉が、
 岩間さんの口から私に向かって言われているのかがわからない。

 私は、ポカンと間抜けな顔のまま、問い返した。



   「あの、被写体って?」

   「モデルと言いなおした方がいいかな。」

   「モ、モデル?!」



 モデル、モデルって、私の写真を撮るということ?

 いやいや、それはないし。


   
    「うん、そう。」



 私のおどろきをよそに、岩間さんはいたってふつうに答えた。



 



 
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