公園であいましょう
(25)
 
  (ありえない、、、ありえなさすぎる、、、
   俺はぜったい、認めない、、、)


 階段を駆け上がった先のドアを乱暴に開けると、
 ライトの明かりだけが眩しい、薄暗い室内に
 カメラを構えた岩間さんとそれに向き合う委員長がいた。


  (えっ、これが委員長?)


 和風の顔立ちの魅力を充分に感じるメイクされた顔
 白い肌によく映える、ほどかれた黒髪、
 胸元の大きくひろがった薄いワンピース

 その姿は色っぽくて、、、

 ただでさえ、走ってきたせいで早い心臓の鼓動が
 さらに激しくなっていく。


  (そんな格好で、岩間さんの前にたつなよ!)

 
 熱くなった俺は、岩間さんにむかって大きな声をあげた



   「どういうことですか!
    写真集の続刊のことは何も聞いていませんよ!

    それなのに、こんなふうに撮影をはじめてるなんて!」



 岩間さんは、構えていたカメラをおろすと、鋭い目で俺を見る。



   「写真集とは関係ない、これは個人的な撮影だ。」


  (個人的な、だって、、、?!)


 そんなの、ますます許すわけにはいかない。

 俺は、そう叫びたいのを堪えて、委員長の方を向いた。



   「もうモデルはしないんじゃなかったの?
    マスコミに追いかけられて、怖い思いしたからって。」


 つい、委員長を責めるような言い方になって
 それを聞いた委員長はしゅんと肩をおとした。


  
   「それは、、、」


 と口の中でもごもご言っている。
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