泣き虫イミテーション
目を覚ますと美少女がいた。
「うぉあ!?」
間抜けな声をだし起き上がろうとして、美少女―――二衣の額に額をぶつける。
「いったぁ…」
反動でまた、寝転んだ状態に戻り、思わずふさいだ目をゆっくり開いた。頭上には額を赤くした二衣がいる。
「どういう状況だ?」
独り言のようにこぼされた言葉に二衣が答えた。
「私のピンチを救ってくれたんだけど、急に倒れちゃったんだよ」
「…そうか、すまん―――、おいちょっとまて。」
「ん?」
「俺は今、何を枕にしている」
上から見下ろす二衣が端的に答えた。
「私の太もも」
「…っ」
朔良は今度こそ体を起こし二衣をねめつける。
「あれ、急に倒れた朔良くんのことが心配で付き添ってたのにそんな目をされるのは悲しいなー」
「そこは礼を言う、しかしだ」
思い出して頬が熱くなった。朔良は言葉につまる。
「寝不足かなと思って。よく寝てたよ」
「〜〜〜っそうじゃなくて!恥じらいとかないのかよ!?」
二衣は目を丸くし、思わず素で吹き出した。
「く、あははっ。恥じらいか、面白いこというね。膝枕程度でそんなこといわれるとはおもわなかったよ。純情だね、あはは」
日頃光成との過ごすうちになくしてた感覚だなと考える。そして、むっとした顔でこちらを見る朔良の頬に手をのばす。
「ごめんよー、私ってほら、清純派ビッチたがらさ。」
「ふざけてんだろ」
バカにされたようで、自分の子供じみた怒りが恥ずかしくなる。
「今の反応から察するにさ、朔良くんて昨日のキスが初めてだったの?」
二衣はふんわりとらしく微笑む。
「そんなことどうだっていいだろ。」
ふいっと顔を背け、朔良は冷たく返した。頬に触れていた手を払う。二衣の指の感触が頬から消えて、ゆっくりと二衣が返した。
「それにどうでもよくないよ。君のファーストキスは大事な話だよ?
ね、朔良くん、初めてを私に奪われちゃったのかな?」
朔良は恥ずかしさをごまかして、悔し紛れに言葉を投げつけた。
「うるさい!もう遅いからさっさと帰れよ!
」
「いや遅くなったのは、朔良くんが起きなかったからだよー。」
そのあからさますぎる照れ隠しにカラカラと笑いながら見上げてくる二衣を睨み付けた。
「そもそも寝不足がお前のせいだからな!!」
「どうして?」
「お前がっ、お前がキスなんか、するから…」
言葉尻に勢いがなくなっていく。いいながらこれは二衣が面白がるネタだと後悔した。だが二衣は聞き逃したりはしない。背の高い朔良が近づくようにジャージの胸元を掴んだ。
「もう一度したら今日も眠れなくなるの?」
劣情を抱えた子犬は見え透いた罠にも容易くかかるだろう。
「うぉあ!?」
間抜けな声をだし起き上がろうとして、美少女―――二衣の額に額をぶつける。
「いったぁ…」
反動でまた、寝転んだ状態に戻り、思わずふさいだ目をゆっくり開いた。頭上には額を赤くした二衣がいる。
「どういう状況だ?」
独り言のようにこぼされた言葉に二衣が答えた。
「私のピンチを救ってくれたんだけど、急に倒れちゃったんだよ」
「…そうか、すまん―――、おいちょっとまて。」
「ん?」
「俺は今、何を枕にしている」
上から見下ろす二衣が端的に答えた。
「私の太もも」
「…っ」
朔良は今度こそ体を起こし二衣をねめつける。
「あれ、急に倒れた朔良くんのことが心配で付き添ってたのにそんな目をされるのは悲しいなー」
「そこは礼を言う、しかしだ」
思い出して頬が熱くなった。朔良は言葉につまる。
「寝不足かなと思って。よく寝てたよ」
「〜〜〜っそうじゃなくて!恥じらいとかないのかよ!?」
二衣は目を丸くし、思わず素で吹き出した。
「く、あははっ。恥じらいか、面白いこというね。膝枕程度でそんなこといわれるとはおもわなかったよ。純情だね、あはは」
日頃光成との過ごすうちになくしてた感覚だなと考える。そして、むっとした顔でこちらを見る朔良の頬に手をのばす。
「ごめんよー、私ってほら、清純派ビッチたがらさ。」
「ふざけてんだろ」
バカにされたようで、自分の子供じみた怒りが恥ずかしくなる。
「今の反応から察するにさ、朔良くんて昨日のキスが初めてだったの?」
二衣はふんわりとらしく微笑む。
「そんなことどうだっていいだろ。」
ふいっと顔を背け、朔良は冷たく返した。頬に触れていた手を払う。二衣の指の感触が頬から消えて、ゆっくりと二衣が返した。
「それにどうでもよくないよ。君のファーストキスは大事な話だよ?
ね、朔良くん、初めてを私に奪われちゃったのかな?」
朔良は恥ずかしさをごまかして、悔し紛れに言葉を投げつけた。
「うるさい!もう遅いからさっさと帰れよ!
」
「いや遅くなったのは、朔良くんが起きなかったからだよー。」
そのあからさますぎる照れ隠しにカラカラと笑いながら見上げてくる二衣を睨み付けた。
「そもそも寝不足がお前のせいだからな!!」
「どうして?」
「お前がっ、お前がキスなんか、するから…」
言葉尻に勢いがなくなっていく。いいながらこれは二衣が面白がるネタだと後悔した。だが二衣は聞き逃したりはしない。背の高い朔良が近づくようにジャージの胸元を掴んだ。
「もう一度したら今日も眠れなくなるの?」
劣情を抱えた子犬は見え透いた罠にも容易くかかるだろう。