氷の歌姫
世界樹イグドラシル



 
昔々 もしくは現在 または遠い未来のいつかのことです


あるところ またはどこでもないところ それとも どこにでもあるところに



世界樹イグドラシルがありました。




それは


幹に


枝に


葉に


根に


露に


ありとあらゆる種族の国を抱く一本の樹




そして その世界樹を治めるのは 




淡い金の髪をした小さな女王




その女王は美しく 幼げでしたが




誰よりも長寿でした






まあ 治めるといっても その役目は 神様のそれに近かったのですが。




なので




女王は世界樹のてっぺんから世界を見下ろしたり 




気紛れにですが 住人たちの願いを叶えたり



むしろそのなかにこっそり紛れ込んだりして 日々を過ごしていました。










これは世界樹のとある葉の上にある

宵闇の都ーーーマーシュマル

と呼ばれた人間の国のお話。
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