極上ドクターの甘い求愛
――『やっぱり繭ちゃんの手料理は最高だな~!』
ッ――!
お風呂上がりの岩崎先生が戻ってきたと同時に夕飯の支度を終えたため、早速向かい合わせになって夕飯を食べることになった。
だけど……一口、私が作ったハンバーグを食べるなり、先生の口が止まりません。
『何で俺がハンバーグにはデミグラスソースじゃなくてケチャップ派なのが分かったの?もしかして俺がコーンが大好物なのを知ってて俺の皿だけにコーン入れてくれた?お味噌汁も俺が白味噌が一番好きなの分かってて作ったの?』
「あの、せんっ――」
『ま、知らなくてこんな俺の大好物ばかり作ってくれたって方が運命的で俺は嬉しいけどね。』
「~~~っ!」
ああもう……何なの、この人は…。
恥ずかし気もなく私の料理を褒めちぎって、誰もが赤面してしまうような歯の浮くセリフを平然と笑顔で言ってのける岩崎先生に、私はもう何も言えなかった。
完全に私のKO負け。
先生のキザすぎる言葉たちに顔を真っ赤に染めている私は、ご飯どころではない。
『繭ちゃん、赤面するの早過ぎ。そんなんでこれから耐えられるの?』
「先生のせいです!」
『え~?俺は言い足りないくらいなんだけど?――もっと聞きたい?』
「結構ですッ!」
まだあるの!?
こんな夕飯一つでこんなにも赤面させられるとは思わなかった。
ドキドキと心臓の音を大きくさせている私とは裏腹に、満足そうにご飯を食べている岩崎先生を見て、これからがちょっぴり不安になった。――色んな意味で。