労苦
「鑑識課の上田さんに依頼して、数字を割り出してもらおう。何せ、この金庫はどう考えても不自然だよ。こんな場所に置かれたままにされてるなんて」


 そう言うと、橋村が頷き、スマホを取り出して、上田のそれに繋いだ。


 そして一言了解を取った後、言う。


「すぐに来てもらえるらしいです。住所をちゃんと知らせておきましたから、大丈夫でしょう」 


「ああ、ありがとう」


 言った後、軽く息をつき、店を出る。


 あの金庫。


 一体何が入ってるんだ?


 訝しんでいた。


 五桁の数字などで閉めていても、その手の専門家なら一発でこじ開けることが出来るのに、なぜ放置されていたのか?


 きっと差して大事なものは入ってないのだろう。


< 159 / 666 >

この作品をシェア

pagetop