労苦
第37章
     37
 その日も午後6時頃まで署にいて、いろいろと話をし合った。


 そして前田たちと別れ、所轄を後にした後、車を停めている駐車場へ歩き出す。


 秋で幾分心労があり、気分も落ち着かなかった。


 車を出し、警視庁へと向かう。


 帰庁し、捜査一課のフロアへと戻って、各々デスクでパソコンを起動させた。


 残務をこなす。


 まあ、慣れているので、少々のことは気に留めてない。


 というよりも刑事は激務だから、細かいことを気にしていたら、進む捜査も進まないのだ。


 実際、俺も橋村も一課の他の班のデカたちの動向は知らない。


 接点がないからである。


 それに一課にいる刑事全員が、一つのヤマに集中することはない。


 殺人事件など、日々発生している。




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