労苦
第48章
     48
 前田も俺や橋村とは息が合っている。


 その日も一通り話をした後、午後6時を回る頃には南新宿署を出た。


 そして車を出し、警視庁へと走らせる。


 俺も橋村も気を張っていた。


 本来なら、ストレスの過多はよくないのだが……。


 だが、今しばらくの辛抱だ。


 そう思っていた。


 帰庁した後、十階の捜査一課フロアで残務をこなす。


 午後9時過ぎに建物を出て、桜田門駅から地下鉄に乗る。


 そのまま自宅へと帰り、晴海の出迎えの後、遅い夕食を取った。


 夜間はなるだけ睡眠を――と思い、妻と混浴した後、ゆっくり眠る。


 それからまた時が過ぎた。



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