労苦
第49章
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 その日も午後6時には南新宿署を出、車を停めている駐車場へと歩き出す。


 疲れていた。


 だが、何とか踏ん張り、車を出して、警視庁へと帰庁する。


 そしてまた時が過ぎ、11月に入って、街は一際慌ただしくなった。


 捜査は遅滞している。


 さすがに捜査一課の刑事も、組対部のデカたちも、神宗会と三原伸吾殺害事件に怯えているらしい。


 後始末は必要だ。


 厄介なのだが……。


 思う。


 何かしらアキレス腱があると。


 俺の考え過ぎなら、それでいいのだが……。


 警察が二の足を踏む状態が続いている。



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