労苦
 辺りはすでに所轄の捜査員が見て回っていて、俺たちも二重では手出ししない。


 そして南新宿署へ行く。


 刑事課内では署員が交代で食事休憩を取っているため、制服姿の婦警が電話応対などをしていた。
 

 じっと待つ。


 前田と石川が俺たちに気付き、出てきた。


 前田が、


「ああ、梶間警部、橋村警部補。お疲れ様です」


 と言う。


「どうも」と言って、軽く一礼すると、いつも話をする帳場へ案内してくれた。


「年末で、いろいろと忙しくて」


「分かりますよ。お疲れでしょう」


 そう言うと、前田が頷く。

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