労苦
第7章
     7
 土曜もいったん現場から撤収し、車で警視庁へ戻った。


 事件は膠着状態だ。


 正直なところ。


 いくら警察が正攻法捜査をしようが、警視庁の上の人間たちが案件を所轄に丸投げしている以上、進捗はない。


 橋村が、


「梶間さん、ひとまず待ちませんか?何か目撃情報とか、新たな手掛かりが見つかるまで」


 と言ったので、


「うん。時間を置くのも手だ。どうせ今月下旬から来月上旬まで大型連休があって、捜査は鈍
るしな」


 と返す。


 帰庁し、一課のフロアへと入っていく。


 吉村一課長や、理事官、管理官など複数名が集まって、デスクで話をしていた。





< 55 / 666 >

この作品をシェア

pagetop