労苦
「梶間、橋村、大人しくしてろ!お前らに捜査権はない」


 吉村がそう言い、締め上げる。


「はい、分かってます」


 一言言い、一礼してから、デスクでパソコンに向かう。


 どのマシーンにも、ディスプレイにMPDのロゴが映っていた。


 その日、午後九時過ぎに本部庁舎を出、桜田門駅から地下鉄に乗り込む。


 そして帰宅した。


 それから数日間、捜査が手詰まりのまま、警視庁内で勤務し続ける。


 神宗会の当山と池上、田無――、三者間の関係を整理できないまま、警察は空を掴むような捜査を続けていた。


 思う。


 裏ではいろんなことが進行してると。


 神宗会関連の事件は山ほどある。
< 56 / 666 >

この作品をシェア

pagetop