労苦
第89章
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 その日も午後6時前ぐらいまで、新宿の街にいた。


 それから車に乗り込み、警視庁へと戻る。


 疲れはあった。


 だが、帰庁してからも仕事が残っている。


 助手席の橋村もきつそうだった。


 お互い事情は同じなのである。


 警視庁本部庁舎十階の捜査一課フロアに入り、スタンバイ状態だったパソコンに向かって、キーを叩く。


 午後9時には仕事が終わり、建物を出て、桜田門駅へと向かった。


 地下鉄に乗り込み、自宅へと舞い戻る。


 帰り着くと、晴海が出迎えてくれ、共に遅い夕食を取った。


 一緒にシャワーを浴びた後、同じベッドで眠る。


 また時が流れ、その週の金曜も通常通り、朝から仕事に出かけた。




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