自称異物少女と誠の武士





日向side……。



「失礼します」



中に入って第一声は謝罪の言葉だった。



「先程はすみませんでした。八つ当たりだったかもしれないです」



頭を下げると座るよう促される。



座ると土方はぐっと距離を詰めてきた。



それによりさっきの山崎とのことを思わず思い出してしまう。



無意識のうちに後ろに下がる。



すると土方さんが距離を詰める。



それを繰り返し、背中が壁に当たる。



もう下がれない。



「逃げるな。頼むから逃げるな」



土方の目は真っすぐで目が離せなくなった。




< 79 / 130 >

この作品をシェア

pagetop