東堂くんは喋らない。








質問です。


考えろ、って、みんなが言います。


でも、考えても考えても答えが出ない時は、一体どうすればいいんでしょうか?





「じゃ、できたら隣のヤツと答え見せ合ってみて~」




だから、そう簡単に答えが出たら苦労しないって…




「…松原」



「だから今考え中!」



怒鳴ってから気付いた。


怪訝そうに私を見る東堂くんの、表情に。




…そうだ、今は現代文の授業中。


隣に東堂くんがいるのは当然で



…完全に、トリップしてた!




「………」


「ご、ごめん、な、何っ?」




無言で前に向き直る東堂くんに、慌てて聞く私。




「………現代文の、主人公のこの行動の解釈、お互いノートに書いた答え確認しあえって」



「え!?ど、どの行動!?」



「だから、このページの…」




自分の教科書を指差し、説明してくれようとする東堂くん。




「え、どれどれ?」



私がそれを覗き込もうとすると、当然その距離は近くなるわけで。





「……」


「………ご!ごごごめんっ」




バチッと至近距離でぶつかった視線に、反射的に距離を取ったのは、私の方。






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