新選組へ ~ 連理之枝 ~
本当の恋
【佐々木】


慶喜様を送り届けて、新選組へ引き返した

夏弥が心配になったから


途中で夏弥の輿に出会った


「大事ないか?」

うっかり、敬語を忘れてしまう


「佐々木がいるなら、歩いて帰ろうかな」


顔を隠した夏弥が出てきた


俺達は、御所へと歩き始めた

「なぁ?俺が、女だったらどうする?」

あり得ない質問をしてきた


「嫁にもらってやるぞ!?」


いつもの調子で返事すると


「最悪だな」


心底嫌そうに目を細め俺を見た

だから、夏弥だと確信して


「お前みたいな、男らしい女を守れるのは
俺くらいだろう!?」


これもいつもの弄りのつもりだった

なのに

「はぁ~佐々木の嫁かぁ」

真剣に悩む夏弥・・・




しばらく考えこんで









「ないな!!」









「ふはっ!!夏弥!!ひでぇな!!」

「うっせぇ!!くそっ佐々木!!」





嬉しくて、俺は夏弥に絡んだ





「いったぁっっっ」

「夏弥?」


血の気が引いた



「お前…その怪我… なんで!?」



夏弥の肩には、血が滲んでいた
そして、その場所は慶喜様が斬られたはずの…


「実は…さっき、斬られたんだ」

そんなの嘘だ!

夏弥を休ませる為、橋の下に来た


傷を見ようと、上着に手をかけた


「佐々木! 大丈夫!!手当てしてもらってる」


こんなに慌てて… やはり、嘘つきやがったな

俺は、ガバッと上着をずらした










そして、質問の意味を理解した








「すまん」





着物を正してやり、そっぽ向く


完全に墓穴を掘った









「嫁にするんじゃなかったのかよ/////」




チラッと見た夏弥の赤くなった顔にドキッと

心臓が高鳴り



その瞬間、年の離れた親友から、愛しい人へ

大変身した



そして、病や怪我を治せる訳ではないことも

理解した



「知らなくて…力使うと、夏弥が辛くなるなんて…ごめん」


「平気」


「あのさ…」



「気持ち悪い!!佐々木のくせに、俺に気なんか使うな!!さんざんバカにしてただろ!」


「お前こそ!!俺にくらい、なんでも言えよ」


「んなことしたら、世も末だろ!?」




可愛くない!!!



なんで、こんな可愛くない女に恋したのだろう



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